翼のない潜水者

産業遺構、巨大建築、廃線跡を求めて東奔西走

軍艦と呼ばれた島

「三菱石炭鉱業端島訪問:2012年5月

軍艦島へはツアーに申し込み、フェリーで上陸する。ガイドさんの案内のもと安全に見学できる遺構だ。かつては漁船で運んで来てもらうしか上陸手段がなかったようだが・・観光地化する前に訪れてみたかった。

 

曇天の海上に突如現れるコンクリートの要塞。この無人島はとにかく緑が少ない。

島の中央付近、高台には真っ白な灯台(現役)が見える。

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島民が離島し約35年、自然の雨風に晒され炭坑跡周辺はとくに崩壊が著しい。

台風が上陸する度、海が時化る度、波がコンクリートを打ち砕き鉄筋をなぎ倒す。

むき出しになった赤いレンガが肉のよう。それでも古いレンガが密度が高く質が良いためものすごい耐久性を発揮。

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かつて端島はただの岩礁だったという。栄衰の歴史をたどり、今その姿は見方によっては「楽園」にも見える。

 

軍艦島鑑賞のポイント

・鉄筋コンクリート造、日本最古の高層集合住宅

・お風呂、炊事場、トイレは共同(ただし幹部職員は別)

・ピーク時の人口は5000人越え、人口密度世界一のコミュニティ

・世界の縮図

軍艦島に無いのは火葬場だけだった

・石炭から石油の時代へ、終焉を迎える

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開口部の硝子は剥がれ落ち、駆体がところどころ顔をのぞかせるが、水平垂直のモダンな建築は古さを感じさせない。

また、フェリーの中からその過密度合いを知ることができる。ちらほら釣り人もいた。

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学校の跡。とにかくでかい。均質な外観が異様な存在感を放つ。

↓写真手前の白い建物が隔離病棟、奥の淡いみどり色の建物が端島病院である。

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中央のふくらみが炭坑口。灯台の白が際立つ。

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フェリーはゆっくりと島の周りを旋回し、軍艦島をあとにする。

 

おまけ

ここからフェリーに乗る。

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船着き場の資料館には当時の写真が残っている。

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造船所のキリンさんたち。

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おわり