廃線跡に咲く花
真冬なのに、凛と咲くユリ科の植物。
昨年の12月、およそ5年ぶりに能登線の遺構を見に行った。着いた頃には真っ暗でおまけにお約束の雨。寒い。
廃線になって約10年。のと鉄道能登線の遺構は徐々に数を減らしつつもかろうじてその原型をとどめている。
穴水から蛸島を結んだ約61キロのレール。2001年までは輪島(輪島線)まで伸びていた。
線路はほとんど撤去済みで、駅舎や一部の車両が動態保存されている(動くかは不明)。
敷地の脇に追いやられた信号機。自分でもなぜこんなところにいるのか理解できず、放心したまま時間を止めているよう。
うかうかしている間にすっかり暗くなってしまい、渋々撤退。
まっすぐ金沢に引き返すのもちょっと癪で、渾身の力をふりしぼって恋路駅へ。
一度は撤去されたレールが今はトロッコとして蘇っている。
さすがに暗くて何も見えなかったので、仕方なく星空を撮っておく。
廃線後、大抵は野ざらし、邪魔になったら撤去を待つだけの運命だけど
こうして賑やかになる駅もあることが救いに思える。
日が暮れたら真っ暗で、生活の明かりもコンビニもない。
闇に港の灯りだけが煌々と揺らめく。(一個まえの投稿と連作の写真です)